2004年、協会設立30周年記念イベントの大阪展に「世界の平和・花からのメッセージ」と題した創作を3ヶ月の時をかけて完成展示致しました。

1983年以来、20年余の空白の時を越えた出展作品は1987年からずっと私の心の内に燃え続けていた創作の夢でもありました。
1987年、アメリカとソビエト連邦国との冷戦の極限に世界中の人々が恐れ見守る時、当時のレーガン大統領がソ連の最高指導者となられたゴルバチョフ氏に「人から人へ」と
世界の平和を祈る「グローバル・ピース」と題する置物を贈られました。それは地球の7つの大陸を翔ける「祈願成就」のシンボルである7羽の白鳩でした。
そのあと、ソビエト連邦国は崩壊して、ロシアと国名を改め、ドイツを二分していたベルリンのコンクリートの大壁も取り除かれて、世界平和への道を歩み始めたことは、
私の心に大いなる感動として焼き付いたのです。

その置物のミニチュア版が、シアトルの高級デパート旧フレデリック・ネルソンに1台8,500ドルで展示販売されました。
そのパンフレットを見つめ続けること十数年を経て2004年、イラク戦争の捕虜虐待の最悪なニュースが流れ続ける中での私の心の叫びが、この「花からのメッセージ」となり、7羽の白鳩が花々の愛と癒しの中から飛翔する作品となりました。

十数年の念願の作品が大阪展示を果たし終えたその数日後に、作品の完成を待っていて下さったかの様に、レーガン大統領は昇天されこの世を去られたのです。
私が帰米した当日、ロシアのゴルバチョフ氏は勿論、世界中の主なる人々の悲しみに包まれた国葬の様子が放映されるテレビの前に、旅装もとかずに感無量の思いで座り続けました。

2004年 春