「花…愛と美への仰慕」

「花…愛と美への仰慕」

「Love...Flower」「愛…花」2010年の協会展のテーマです。

花を愛し、花を創り続ける40数年の歳月をすごして今、「愛…花」のテーマで花を創り、愛を表現することは、いとも簡単なことの様ですが、いざ、それを形に表現するとなると、昼夜胸一杯に去来する想いは、「花とは何」「愛とは何」なのです。

人々にとって、花とは美であり、癒やしであり愛であることに改めて気付かされます。
そして人々の幸福の原点は、この世の様々な愛の形の中で、常に雌雄でよりそう美しい「をしどり」で表現される「夫婦の愛」ではないのかと思い至ります。そして更に、人々の追求して止まぬ究極の「聖なる愛」が人々の心に満たされる時、そこには花々があふれ悦びに満たされ平和の訪れがあります。

絵画界の巨匠フランスのクロード・モネが広大な自宅の庭園を花・花・花で満たし池をつくり、美の極点として20年も飽くことなく描き続けた睡蓮は泥土の汚れをまとうことなく清らかに神々しく咲き継いで世紀を超え、その美と愛で今も尚、人々の心を癒やし続けているのです。
その池の上にたわわに咲く藤の花びらが、池面一面に花開く睡蓮の上に舞い散る様は、唯々息をのむ美と愛の世界です。
それは天界の愛が花を通して地上に甦る美の極点ではないでしょうか。

藤の花と、愛と平和のシンボルである白鳩は、私の心の尊師御夫妻のこよなく愛されたものでもありました。
花の創作に向かう私の心のエナジーは神秘なる花への愛と美への仰慕でもあるのです。

2010年 春